HARU

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Milan Design Week 2019,
Color Appreciation
ALCOVA,
Milan

Apr. 09 - 14, 2019

4度目の出展となったミラノデザインウィークでは、ミラノ中央駅からほど近い「ALCOVA」を会場に選びました。1940 年に建設されたミラノの伝統菓子パネットーネの工場跡地であり、Space Caviar とStudio Vedè が巡回文化施設の実験場として開発、昨年よりミラノデザインウィークの会場に加わった話題のスポットです。屋根の骨組みだけが残る壮観なスペースから、小屋のような建物、コンクリートの隙間から植物が生い茂る一角など、都市の中でさまざま要素が混在する貴重な場所であり、この会場に存在する様々なコントラストの美しさを、SPREADによる2つのアートワーク「13.8 billion light -years」と「Border」で表現しました。

Designers’ Comments:
4年目にあたる今年は「Color Appreciation − 色を鑑賞する」と題し、「コントラストが美しい」をテーマに2つの作品を発表しました。会場に選んだのは、老舗菓子工場の跡地であるALCOVA。建造物が朽ち、屋根が抜け落ちたことで室内であっても屋外のように開かれた空間でした。そこに植物が自生したこともあり、 “都市と自然”、“光と影”、“生と死”…相反する要素がこの場に共存し、特別な時間と空気が立ち現れていました。この場の魅力やエネルギーを壊さないように、HARU stuck-on design;を場に根付かせることを意識し作品を制作しました。

幾度もシミュレーションを重ね再構築を繰り返して辿り着いた最終プラン。その作品を実際にインストールすると、自分たちの予想を解放するような心地よさがありました。剥がれ落ちたタイル壁に、ラフな表情の塗装壁。そして、柱と柱を貼り渡すことで空中に貼られたHARU stuck-on design;の和紙テープは、色と場の歴史が繋がり、光と影の闇に奥深い表情を生み出しました。

今年は予報もすぐに変わるほどに天気が変動しました。刻々と変わる日差しと影の角度、雨によって出来る静かな湖面のような水面、微弱な風によって揺らぐ色の中の光と影…天候は、この空間に新たなスパイスを振りかけました。強い日差しの日には屋根の躯体の影が作品に強く差し込み、作品がまるで動いているようにも見えました。雨が降った時の和紙は、水分を含み色を濃く見せ、雨があがったばかりの晴天は水たまりに作品が映り込むことで色も倍増し、逆さ富士のような美しい風景を生みだしました。シンプルな色のテープの重なりが日の光や雨などの自然の力によって美しい表情をいくつも生み出してくれたのです。

私たちは必ず現場に足を運び、その状況を観察することを大事にしています。自分の足でその場に立ち、空気を吸い、その場の音、光、温度を感じながらこの作品を鑑賞する人々。深くうなずき「なんという美しさ!」と感動し、見つめ合って抱き合ってしまうという瞬間が今年もあったことに、とても深く喜びを感じます。HARU stuck-on design;は、色を貼ることで空間の性質を変え、人の感知を広げます。デザイン、クリエイションの本質は、感覚を広げるトリガーになることだと私たちは信じています。

SPREAD 小林弘和 山田春奈